第5回 AI・人工知能EXPO【春】参加報告

先日、第5回AI・人工知能EXPO【春】に参加してきましたので、展示会の様子や、興味深かったセミナーについて、今年度(2021年度)に入社しました新卒社員より報告します。

AI・人工知能EXPOについて

AI・人工知能EXPO
第5回AI・人工知能EXPO【春】受付の様子

AI・人工知能EXPOは公式HPで次のように紹介されています。

ディープラーニング、機械学習、エッジAI、自然言語処理、画像・音声認識、対話AIなど AIに関するサービスが一堂に出展。DXを推進するために、あらゆる分野の方々が来場し、活発な商談が行われています。

AI・人工知能EXPOHPより

また、「第2回ブロックチェーンEXPO」「第1回量子コンピューティングEXPO」も同会場で同時開催されていたので、そちらの展示ブースやセミナーにも参加してきました。

こちらの2つの展示会についての概要は、下記の通りです。

「ブロックチェーンEXPO」は、AIへの応用や自動運転の実現、医薬品・化学素材の開発など、幅広い分野での活用が見込まれる<量子コンピュータ>の専門展。

「量子コンピューティングEXPO」は、小売流通・エネルギー・金融・社会インフラなどあらゆる活用方法に注目が集まる<ブロックチェーン>の専門展。

東京ビッグサイト 青海展示棟にて開催中!| PR TIMES

概要

基本情報

主催:リード エグジビジョン ジャパン株式会社

会期:2021年4月7日~2021年4月9日

会場:東京ビッグサイト(青海展示棟)

参加者数:13,641人

コロナ禍のため来場者数は少ないと思われましたが、今年は会場面積が間引きされていたこともあり、なかなかの密具合でした。

詳しい会場の様子はこちらでご覧になれます。

会場の様子(AI・人工知能EXPO【春】HPより)

展示ブースの様子

展示ブースでは、各社のサービス・技術の展示はもちろんのこと、出展社による公開セミナーも行われていました。

左は、(株)ailysの展示ブースで、公開セミナーが行われている様子です。

(株)ailysは事前予約制のセミナーも開催しており、そのセミナー内でも触れていたAdaptive Intelligenceが大々的に展示されていました。詳しい内容は後述の「興味深かったセミナー」で紹介します。

華偽技術日本(株)の展示ブースには、自社開発のAIプロセッサをベースとした様々なAIインフラの導入事例が展示されていました。右は、深圳空港のフライト運航や乗客の乗降ゲート管理を行うソリューション「AIスケジューリング」「One Face」についてのパネルです。

興味深かったセミナー

業界のキーパーソンによるセミナーが、3日間で全24講演開催されました。

>>セミナー詳細はこちら

個人的にブロックチェーン分野にも興味があり、AI・人工知能に加えてブロックチェーンのセミナーも聴講したので、あわせてご紹介します。セミナー内容はクローズドな情報なので、私のメモをもとにまとめた内容となりますが、ご了承ください。

AI自動化の新たな時代(講演者:(株)ailys 藤井正辰)

・これまでは特化型AIが中心に開発されてきたが、ailysは3~5年後のAI活用を見据えて汎用型AIの方に力を入れているそうです。

・Auto MLの課題:データ分析を自動化するツールに留まっていること。

・人間の意思決定サポートのためにAIが有するべき前提条件は、「特定の領域・業務における高い専門性の学習」と「<状況-行動-結果>のプロセスに関する情報の学習」。

→つまり、Informative AIが将来的に必要

・現在のAutoMLとしてのAIから、将来的にInformative AIへと進化させる過程で、直近で目指すべきものはAdaptive Intelligenceだとのことでした。

Adaptive Intelligenceの発展の方向性としては、「過去の事実に基づいた傾向」「想定される未来の結果」「今察知できてない今度起こりうる変化」「実現したい未来への行動指針の表示」が挙げられていました。

ブロックチェーン×トークンエコノミー(講演者:LVC(株)林 仁奎)

・LINEが独自に開発したブロックチェーン技術を用いて、サービス提供者とユーザーの関係性をフラットにし、ともに成長していく共創関係の構築を目指すトークンエコノミー「LINE Token Economy」]を構想しているそうです。

・「LINE Token Economy」の特徴として、既存のサービスとは異なり、ユーザーの定着に加えてインセンティブを活用した顧客ロイヤリティを高めることと、LINEだけのエコシステムにとどまらない技術の民主化を目指していることを挙げていました。

今後の展望としては新規機能の拡張が挙げられていました。NFTマーケットとの連携や、LINEブロックチェーンベースのdApps総合サポートを計画中とのことでした。

ブロックチェーンが実現するニューエコノミーの将来像
(講演者:PwCコンサルティング(同) 丸山智浩)

Blockchain Laboratoryの取り組みについて:あらゆる業界と連携し、非中央集権による信頼の構築を行っているそうです。ブロックチェーンゲームの開発、ラボでのBTX体験を通じたブロックチェーンビジネスの展開を促進されています。オンラインでも実施中とのことです。

・DXニューエコノミーにおける信頼獲得「Time for trust」を発表(2021/1/18)

・ブロックチェーン技術を活用した3つのソリューション:

-ソリューション①:社会全体の安全をつくるエコシステムを目指し、健康証明管理アプリを開発中

-ソリューション②:PwCネッティングを用いたサプライチェーン決済プラットフォームを構想

-ソリューション③:サプライチェーンのマネジメント。半導体模倣品流通の防止に向けた標準化に取組中

ブロックチェーンで実現する社会課題解決(講演者:(株)日立製作所 長稔也)

・ブロックチェーンのビジネスへの適用には3パターンあるそうです:

価値流通型トークン化した価値/権利を流通

事例)Hitachi Blockchain Token Frame work

証跡共有型データ改ざんが抑止された状態で、企業間で証跡情報を共同管理

事例)SaaS型電子証明サービス:履歴情報をブロックチェーンに格納し、署名、押印電子データの真正性を向上させるサービスです。

自動執行型企業間の手続きを自動化

事例)権利流通プラットフォーム(開発中):1枚のチケットで、ホテル/電車/レストランの利用が可能になります。駅や店舗の混雑状況等のリアルタイム情報も連携。

ブロックチェーン適用に向けての課題:企業間の紙ベースでの業務をブロックチェーンで実現する際にステークホルダーの存在が障害となること、ブロックチェーン自体が発展途上の技術であること、フレームワークの共存を前提としたインターオペラビリティの確保が必須であることを挙げていました。

おわりに

初めて展示会に参加したので、新鮮かつ有意義な体験になりました。

(株)ailysの藤井正辰氏が「Auto MLの課題は、データ分析を自動化するツールに留まっていること。」と述べていたように、AI・人工知能技術は未だ発展途上であり、まずは3~5年後に向けて発展の方向性と照らし合わせながら現状の改善を行っていく必要があると感じました。

ブロックチェーンについてのセミナーを3つ聴講したため、受講前と比較してブロックチェーンの理解度が格段に上がりました。とりわけPwCコンサルティングの方の話がわかりやすく、事例等を交えての説明だったため、ビジネスにどう適用されるのか、ブロックチェーンの将来像などを自分の中でイメージすることができました。例えば病院で手術を受けて医療保険の申請をする際、様々な機関が関与しているため保険料が手元に届くまでしばらく時間がかかります。しかしブロックチェーン技術を活用すれば、様々な機関・企業間でのやり取りがワンストップで済む、ということを考えると、今後私たちの生活を豊かにするためにも必要不可欠な技術であると感じました。

M・Y

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